おとり物件に騙されないために知っておくべき6つのポイント
2018/12/09
目次
過去に引っ越しを経験した人たちから、たまにこんな経験談を話される。
「SUUMOとかhomesでよさげな物件見つけて不動産屋さんに行ったんだけど、不動産屋さんにいったら、もう入居者見つかったって言われたんだよね。これっておとり広告なのかな?」
結論から言うと、この推測は正しい可能性が高い。
不動産業界には、おとり広告を出して来店を促して、より利益率の高い物件に振り替える、というやり方が蔓延している。
そこで、今回の記事ではダークな不動産屋のおとり物件に騙されないための基本知識について紹介しよう。
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SUUMOやhomesは不動産屋さんじゃない!
まず、大前提としての質問だが、SUUMOやhomesを不動産屋さんだと思ってはいないだろうか?
確かにWebで不動産を探す場合では、これらのサイトがヒットするので、不動産屋さんだと勘違いしやすい。
だが、これらのサイトの正体は広告代理店サイトである。
SUUMOの運営母体はリクルートだし、homesはLIFULLという会社が運営している。
これらの会社は不動産屋ではなく、広告代理店なのだ。
そして街の不動産屋さんが、お客さんをお店に呼び込むために、そのお店が照会できる物件を選んで広告枠を購入し、広告サイトに物件を陳列しているのだ。
もっと簡単に言うと、SUUMOやhomesはいろんな不動産屋さんの見本市のようなものなのだ。
在庫の物件は、バックヤードである業者用サイトに保管してある。
つまり、SUUMOやhomesに載っている物件は全体の中の数%でしかないし、しかもこれらの広告サイトに乗っている物件の目的はあくまでも「来店を促す」という目的のみに絞られているのだ。
広告サイトと業者用サイトの違い
では、これらの不動産広告のサイトと、業者専門サイトの違いは何なのか?
その違いは大きく2つある。
SUUMO、homesはリアルタイム更新ではない!
不動産広告のサイトと、業者専門サイトの違いの一つ目は情報のリアルタイム性だ。
業者用サイトは毎日最新情報が入ってくるし、2か月先の新着情報(いわゆる空き予定の物件)も検索できる。
だから、申し込みの入った物件はサイト上から瞬時に消えていく。
一方、SUUMOやhomesなどの広告サイトでは、物件情報の更新が1週間に1回しかない。
つまり、すでに申し込みが入っている物件が載っている可能性がある。
この更新のタイミングにこそ、おとり広告のからくりが隠されている。
SUUMO、homesは情報に嘘が紛れやすい
不動産広告のサイトと、業者専門サイトの違いの二つ目は情報の細かさである。
業者用サイトは、業者同士のやり取り用のサイトという性格上、どうしても情報が細かくならざるを得ない。
というよりも、嘘をついてまでお客さんをつける意味がない。
一方、広告サイトではとにかく「お客さんの来店を促す」のが目的なので、都合が悪いことや微妙な情報までは載せないのである。
どんな方法でおとり広告を出すのか?
では、不動産業者はどうやって広告サイトにおとり広告を出すのか?
それは広告サイト内でのSEO対策によるおとり広告だ。
通常、お客さんは広告サイト内では物件の条件を絞り込んだ後に、「家賃の安い順」に並べ替えるのが90%以上だ。
この性質を利用し、家賃を相場よりも極端に安く設定させて上位表示させる。
あとは、キレイに見える写真をピックアップするだけ。
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そして、1週間に1回更新という広告サイトのスキをついて、入居者や申し込みが入っても表示させ続けることで、問い合わせをとり続けるのだ。
そして、いざ来店させておいて「すいません。この物件さっき申し込みが入っちゃって…代わりにこの物件はどうですか?」とか「実は、その物件にはこんな欠点がありまして…」といって、問い合わせた物件を内見もさせないで諦めさせて、利益の出る物件に振り返るのだ。
まとめると、すでに市場に出回っていない物件を、異常に魅力的な価格で表示して問い合わせを募り、来店後に利益の出る物件に振り替えているのである。
逆に言うと、相場どおりで、そこまで長い期間掲載されていない物件についてはおとり物件ではない可能性もある。
おとり物件の見抜き方
では、どのようにしておとり広告を見抜けばよいのか?
これには大きく2つの方法がある。
- 1つ目は家賃が異常に安いかどうか。
- 2つめは異常に長期間、サイト上に掲載されているか
家賃が異常に安い物件は怪しい!
まず相場よりも異常に家賃が安い物件は高確率でおとり物件である可能性が高い。
もちろん、中には本当に安い物件もあるのだが、そんなに条件の良い物件がいつまでも市場に出回っているわけがない。
Webは世界中でみることができるのだから、あなたが「この物件いいなぁ」と思うような物件は、他の人から見ても魅力的な物件なのだ。
そんな物件がいつまでも空いている方が怪しい。
長期間空き物件になる物件は怪しい!
次に、相場から見て普通の物件だとしても、ず~っと広告サイトに乗り続けている物件も怪しい。
そこまでお客さんがつかない物件なら、オーナーは赤字垂れ流しで大損をこいており、何としてもお客さんを捕まえようと、あの手この手で躍起になっているはずだ。
なのに、ずっと広告サイトに乗り続けているのはおかしい。
よって、定点観測を続けて、サイトに乗り続けている物件があれば、高確率でおとり物件と考えて間違いないだろう。
「おとり物件だな」と思ったら試してほしい方法
これはめちゃくちゃ簡単で「内見とかしなくていいから、この部屋で契約させてくれ」と言えばよい。
不動産屋さんからすれば、内見でお店を空けずに契約が取れるお客さんなのだから、本来は異常においしいお客さんだ。断る理由がない。
しかし、おとり物件は、入居が決まっていたり、すでに誰かが住んでいる物件なのである。
だから、内見をすっとばして強引に契約までいかれるとまずい。
この方法をやって、うろたえだす場合は99%おとり物件なので、ぜひやってみてほしい。
もう一つの方法は、「来店は後でいいから今すぐ内見だけさせてくれ」というパターンだ。
やはりこれも内見ができない物件なので、悪徳業者からするとめちゃくちゃ困るのだ。
広告サイトの正しい使い方
ここまで、広告サイトをdisってきたのだが、私はこれらのサイトにも利用価値はあると思っている。
というのも、不動産屋さんに行く前に相場をチェックすることができるからだ。
特にhomesが優秀なのだが、条件を絞り込んでいくと、「この条件で〇〇件の物件がヒットします」という目安が検索している段階でわかる。
もちろん広告サイトにはおとり物件以外の物件もちゃんと載っているので、それらと見比べることで、相場を調べることができるのだ。
いかがだっただろうか。
このように、ダークな不動産業者はおとり物件を使って、あの手この手で利益を出そうと必死なのである。
賢明なる読者様には、騙されないように常に賢くいてほしいと思っている。
もし、これから物件を探される方は、この記事を思い出していただけると幸いだ。
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